診断
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蒸気発生器
伝熱管検査
蒸気発生器伝熱管の異常を渦流探傷検査(ECT)で発見し、重大な事故の発生を未然に防ぎます。
原子力発電所の重要設備である蒸気発生器内部にある伝熱管の健全性を評価。検査の手法には、渦流探傷検査(ECT)を用いており、検査対象となる伝熱管にコイルを搭載したセンサー(プローブ)を挿入し、高周波電流を与えて管壁のきずの有無を調べます。検査で取得したデータは、高い正確性をもって解析されます。現在では、最新型の渦流探傷器(OMNI-200)・ロボット(PEGASYS)を導入し大幅な効率アップを達成したほか、次世代システムであるスマートアレイECTシステムを自社開発して、さらなる精度向上に努めています。
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配管溶接部検査
原子力発電所設備の健全性を確認するため、超音波探傷による非破壊検査を行います。
原子炉容器や配管等の健全性を確認するための非破壊検査には、超音波を用いた検査手法が広く用いられています。近年は、プラントの高経年化に伴い、検査性能の更なる向上やこれまで要求されていなかった部位の検査が必要となってきています。当社では、これまで超音波検査が難しいとされてきたステンレス鋳鋼製の一次系配管に対する新しい超音波検査技術の研究を行ってきました。この研究を通じて新たに開発した大型低周波探触子を用いることで、従来よりも信頼性の高い検査が可能となり、プラントの信頼性を向上させることができます。
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配管振動測定
プラントにおける小口径配管接続部の疲労破壊を防止するため、当社は実際の現場で、二方向の曲げひずみと、管軸方向のねじりひずみを同期的に測定し、そこから各応力と合成応力を算出しています。この現場での多軸応力の測定を実現しているのが、弊社が開発した「ひずみゲージホルダー」です。このひずみゲージホルダーは、4つのロゼットゲージ、即ち12素子のひずみゲージを備えており、230℃の配管でのひずみ測定も実現しています。実際の現場での装着時間は、通常約20分以下です。ここで得られた測定データから、その周方向部位毎に疲労損傷値を計算し、クリティカル疲労寿命予想を導出します。
もし弊社の配管振動の評価の詳細にご興味があれば、ご遠慮なく弊社までお問い合わせください。
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放射線計測
高度な放射線計測技術により、原子力発電所の炉水等の放射性核種分析や放射線作業環境の評価に貢献しています。原子力発電所においては、炉水や放射性廃棄物中に含まれる放射性核種を適切に分析・管理する必要があります。当社では、ガンマ線を放出する放射性核種の分析を担うGe(ゲルマニウム)波高分析システムを関西電力に納入し、装置の点検・保守を毎年実施しています。得られた分析データは当社が開発した廃棄物管理システムに転送され、原子力発電所の安定運営に貢献しています。原子力発電所の一次系設備や配管内部には、運転中に放射化したコバルト等の放射性核種が沈着しており、これらが定期検査作業時における作業者の被ばく線源となっています。当社では、定期検査毎に、高性能なCZT(テルル化亜鉛カドミウム)検出器等を用いて、放射性核種の沈着量を経年的に追跡調査し、放射線作業環境の評価に貢献しています。
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蒸気発生器
二次側保全
蒸気発生器の健全性と性能を保つため、最新技術を用いて評価・洗浄を実施します。
蒸気発生器のトラブルの多くは、給水から流入する腐食生成物(大半が鉄酸化物=スケール)の付着堆積に起因しており、スケール付着の監視と制御が蒸気発生器二次側保全のポイントとなっています。当社においては、スケール付着を定量的に把握するとともに、流入する腐食生成物を抑制するための水化学管理方法や、沈着したスケールを除去するための洗浄方法の高度化を検討しています。スケール付着定量評価では、渦流探傷による管支持板信号からスケール信号のみを取り出す減算手法を開発しました。目視点検結果で得られる閉塞率の実測値から評価曲線を作成し、これを用いてスケールによる管支持板部閉塞率を算出します。管支持板部閉塞率は、将来どのタイミングで洗浄が必要となるかの判断材料となります。当社が行う洗浄方法は、ASCA(Advanced Scale Conditioning Agent)と言う化学洗浄の一種です。プラント停止時に蒸気発生器二次側の伝熱管スケール性状を、化学薬液を用いて多孔質化させることにより、蒸気発生器の伝熱性能の回復や管支持板部閉塞の改善を行います。